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なんとなくクラウド化した企業が直面する運用の落とし穴 ― 失敗しやすい理由と、今すぐ見直すべきポイント

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はじめに:なんとなくクラウド化した企業が直面する運用の落とし穴

「クラウドにしたはずなのに、前より管理が大変になった気がする」「毎月のITコストが増えているが、何にいくら使っているのか正直よく分からない」──こうした声は、実際に多くの中小企業の現場で聞かれます。
近年、クラウドサービスは“使って当たり前”の存在になり、「とりあえずクラウド化しておこう」という判断が加速しました。しかしその結果、導入前に想定していなかった運用トラブルや負担増に直面している企業も少なくありません。

特にIT専任者がいない中小企業では、クラウド導入の判断が場当たり的になりやすく、「なぜ導入したのか」「どう使い続けるのか」が曖昧なまま運用が始まってしまう傾向があります。
本記事では、こうした“なんとなくクラウド化”が起きる背景から、クラウド化後に問題が表面化する理由、そして今すぐ見直すべき実務ポイントまでを、専門用語をかみ砕きながら整理します。

読み終える頃には、「自社のクラウド運用のどこを見直すべきか」「まず何から着手すればいいのか」が具体的にイメージできるようになるはずです。

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なんとなくクラウド化が起きる背景

この章では、なぜ多くの中小企業で「深く考えないままクラウド化」が進んでしまうのか、その背景を整理します。
クラウド自体が悪いわけではありません。問題は判断プロセスと準備不足にあります。ここでは、現場で特に多く見られる4つの要因を解説します。

① IT人材不足が招く「判断の丸投げ」

結論から言うと、IT人材不足の環境では、クラウド導入の判断が自社主導で行えなくなることが最大の問題です。
専任のIT担当者がいない企業では、「よく分からないから専門家に任せる」という判断自体は自然ですが、任せ方を誤ると失敗につながります

整理:判断を丸投げしたときに起きやすいこと

  • ベンダー提案がそのまま採用される

  • 自社業務との適合確認が不十分

  • 将来の運用・拡張を考慮していない

  • 「導入して終わり」になりやすい

状態 実際に起きがちなこと
導入前 用語が分からず質問できない
導入時 「おすすめです」で決定
導入後 誰も全体像を把握していない

補足・具体解説

現場では「これって本当に必要ですか?」と聞きたくても、専門用語が分からず質問できないケースがよくあります。
たとえば管理画面を見ても、「この設定を変えていいのか分からない」「触るのが怖い」という状態になりがちです。その結果、導入時の設計ミスが運用フェーズでボディブローのように効いてくるのです。

② 「クラウド=正解」という思い込み

結論として、「クラウドにすれば安心・便利」という考え方は半分正しく、半分危険です。
クラウドはあくまで“手段”であり、目的が曖昧なまま導入すると効果は出ません

整理:よくある思い込みと現実

思い込み 実際の現場
クラウド=最新で安心 設定次第でリスクは増える
管理が楽になる ルールがなければ逆に煩雑
勝手に効率化される 業務は自動では変わらない

箇条書き:思い込みが生まれる理由

  • メディアや広告で良い面だけを見る

  • 周囲の企業が使っている安心感

  • ベンダー説明が「便利さ」中心

補足・具体解説

「クラウドにしたのに業務が楽にならない」という声は珍しくありません。
原因の多くは、業務フロー自体を変えていないことです。オンプレミス時代と同じやり方をクラウド上で再現しても、メリットは限定的です。

③ 補助金・流行に引っ張られた導入判断

結論から言えば、補助金や流行をきっかけにした導入自体は悪くありません。ただし、目的整理を省略すると失敗しやすいのが現実です。

整理:補助金主導で起きやすい問題

  • 導入期限が優先される

  • 要件定義が浅くなる

  • 運用フェーズが考慮されない

フェーズ 起きがちな状況
検討 「今やらないと損」
導入 とにかく間に合わせる
運用 誰も改善しない

補足・具体解説

「補助金があるから入れたけど、その後どう使うかは決まっていない」
これは現場担当者からよく聞く本音です。結果として、使われないシステムが社内に残り続けることになります。

④ 現場の業務整理が不十分なままの移行

結論として、業務整理をせずにクラウドへ移行すると、課題をそのままクラウドに引っ越すだけになります。

整理:業務整理不足の典型例

  • 無駄な業務フローをそのまま再現

  • 属人化した作業がブラックボックス化

  • クラウドでも手作業が多い

箇条書き:移行前に整理すべきポイント

  • 誰が、何を、どの順番で行っているか

  • 本当に必要な作業か

  • 自動化・簡略化できないか

補足・具体解説

管理者画面で項目が大量に並び、「何のための入力か分からない」という状態は、業務整理不足の典型です。
クラウド移行は業務を見直す絶好のタイミングでもあります。

クラウド化後に運用トラブルが増える理由

この章では、「クラウドにした後に、なぜかトラブルや手間が増えてしまう理由」を整理します。
多くの中小企業では、導入そのものに意識が向き、運用設計が後回しになりがちです。その結果、日常業務の中で小さな混乱が積み重なり、やがて大きな負担として表面化します。ここでは、現場で特に多い4つの運用トラブルを取り上げます。

① 管理ルールが決まっていない

結論から言うと、クラウド運用で最も多い失敗は「ルールがないまま使い始めてしまうこと」です。
クラウドは柔軟に使える反面、ルールを決めないと誰でも・何でもできてしまい、管理が一気に複雑になります。

整理:管理ルール未整備で起きやすい問題

  • アカウントが増え続ける

  • 誰が何を管理しているか分からない

  • 退職者のアカウントが残り続ける

管理対象 ルールなしの場合
ユーザー 申請なしで追加
権限 全員フル権限
変更履歴 誰が触ったか不明

補足・具体解説

現場では「とりあえず全部見られたほうが楽」という声が上がりがちですが、これは後々のトラブルの元です。
管理画面を開いたときに「このアカウント、誰だっけ?」となる状態は、すでに運用が破綻しかけているサインと言えます。

② システムが増えすぎて把握できない

結論として、部署ごとにクラウドを導入すると、全体像が誰にも分からなくなるという問題が起きます。
これは「シャドーIT」と呼ばれる状態で、中小企業でも頻繁に発生しています。

整理:システム乱立が招く混乱

  • 同じ用途のツールが複数存在

  • データが分散して探せない

  • 契約状況が把握できない

状況 現場の声
営業 「どれが正解のデータ?」
管理 「契約数が分からない」
経営 「ITコストが見えない」

補足・具体解説

「便利そうだから試した」「無料だから使っている」──この積み重ねで、気づけばツールだらけになります。
結果として、効率化のためのITが、逆に非効率を生む状態に陥ります。

③ 障害時・トラブル時の対応フローが不明確

結論から言えば、「クラウドだから止まらない」という考えは非常に危険です。
クラウドでも障害は起きますし、その際の対応を決めていないと、現場は混乱します。

整理:対応フロー未整備のリスク

  • 障害発生時に誰に連絡するか不明

  • 業務停止の判断ができない

  • 復旧まで現場が止まる

フロー例(理想と現実)

フェーズ 理想 現実
障害検知 即時把握 現場から連絡
判断 担当者判断 上司に丸投げ
対応 手順通り その場対応

補足・具体解説

実際の現場では「これ、うちの問題?それともクラウド側?」と判断に迷うことが多いです。
連絡先・判断基準・代替手段を事前に決めておくだけで、混乱は大幅に減らせます。

④ コストが見えにくく、気づけば高額に

結論として、クラウドのコスト問題は“気づいたときには手遅れ”になりやすいのが特徴です。
月額固定の感覚で使っていると、従量課金の落とし穴にはまりやすくなります。

整理:クラウドコストが膨らむ原因

  • 利用していない機能を放置

  • ユーザー数が増え続ける

  • データ容量の増加に無関心

コスト要因 見落としがちな点
ユーザー 退職者分も課金
容量 自動増加に気づかない
オプション 誰が使っているか不明

補足・具体解説

「月数万円だから大丈夫」と思っていても、積み重なると年間では大きな額になります。
定期的に管理画面で利用状況を見る習慣がない企業ほど、コストが膨らみがちです。

オンプレミス感覚が抜けないことで起きる問題

この章では、クラウドを導入したにもかかわらず、考え方や運用がオンプレミス時代のままであることで生じる問題を整理します。
クラウドは「置き場所が変わったサーバー」ではありません。しかし、その違いを理解しないまま運用すると、本来得られるはずの効果を大きく損ねてしまいます。

① クラウドでも「社内サーバー扱い」してしまう

結論から言うと、クラウドを社内サーバーの延長として扱うと、メリットの大半を失います
柔軟性や拡張性を活かせず、「ただ場所が変わっただけ」になってしまうのです。

整理:オンプレ感覚が残っている状態

観点 オンプレ感覚のまま クラウド本来の考え方
利用 常時フル稼働 必要な分だけ使う
変更 触るのが怖い 前提として変更可能
拡張 大仕事 設定変更で対応

箇条書き:よくある現場の声

  • 「設定は変えないほうが安全ですよね?」

  • 「前からこの形で使っているので…」

  • 「止まったら怖いのでそのままにしています」

補足・具体解説

管理画面に機能があっても、「使わない」「触らない」状態では意味がありません。
クラウドは試して、調整して、改善することが前提の仕組みだと理解することが重要です。

② セキュリティはベンダー任せという誤解

結論として、「クラウドだからセキュリティは安心」という考え方は非常に危険です。
クラウドでは、守る範囲がベンダーと利用企業で分かれているという前提があります。

整理:責任範囲の考え方(簡略)

領域 ベンダー 利用企業
インフラ ×
サービス基盤 ×
アカウント管理 ×
権限・設定 ×

箇条書き:誤解されやすいポイント

  • ID・パスワード管理は自社責任

  • 権限設定ミスは守ってくれない

  • 情報漏えいの責任は企業側

補足・具体解説

現場では「それってクラウド側の問題ですよね?」と言われがちですが、
設定ミスや管理不足は自社責任になります。最低限の理解とルール整備は不可欠です。

③ 業務改善につながらないIT投資

結論から言えば、業務のやり方を変えなければ、クラウドを入れても効率は上がりません
ツール導入=業務改善、ではない点が重要です。

整理:効果が出ないIT投資の特徴

  • 手作業をそのまま再現

  • 入力項目が減っていない

  • 二重管理が残っている

状態 現場の実感
導入前 手間が多い
導入後 画面が変わっただけ
結果 忙しさは変わらない

補足・具体解説

「前より入力が増えた気がする」という声は要注意です。
クラウド導入時は、業務を減らす視点で再設計することが欠かせません。

④ 現場が使いこなせず形骸化する

結論として、現場が理解できない仕組みは、必ず使われなくなります
操作説明や定着支援を軽視すると、形だけのシステムになります。

整理:形骸化が進むプロセス

  1. 一部の人だけが理解

  2. 使わない人が増える

  3. 結局Excelに戻る

箇条書き:定着しない原因

  • マニュアルが難しい

  • 誰に聞けばいいか分からない

  • 使わなくても怒られない

補足・具体解説

「結局、あの人しか使っていない」という状態は危険です。
誰でも最低限使える状態を作ることが、クラウド活用の最低条件です。

いま見直すべきクラウド運用のポイント

ここまで見てきたように、クラウド運用の失敗は「ツール選定」よりも運用設計・考え方に原因があるケースがほとんどです。
この章では、ITに詳しくない中小企業でも今日から見直せる実務ポイントを整理します。大がかりなシステム変更ではなく、「考え方」と「整理」の視点を中心に解説します。

① クラウド導入の「目的」を言語化する

結論から言うと、クラウド運用を立て直す第一歩は、導入目的を言葉にすることです。
目的が曖昧なままでは、何が成功で何が失敗か判断できません。

整理:目的が曖昧な状態と明確な状態

観点 曖昧な状態 明確な状態
判断基準 なんとなく 目的に合うか
改善 思いつき 効果ベース
会話 感覚的 共通認識

箇条書き:目的設定の例

  • 月次作業を○時間削減したい

  • 情報共有の属人化をなくしたい

  • IT管理の負担を減らしたい

補足・具体解説

「何のために使っているか」を一文で説明できない場合、見直しの余地があります。
目的が言語化されると、不要な機能・過剰な設定を減らす判断がしやすくなります。

② 業務視点でシステム構成を見直す

結論として、クラウドはIT視点ではなく業務視点で設計し直すことで効果を発揮します。
システム都合ではなく、「人の動き」を起点に考えることが重要です。

整理:視点の違い

視点 考え方
IT視点 機能・設定中心
業務視点 作業・流れ中心

箇条書き:見直しの切り口

  • この作業、本当に必要か

  • 入力は誰がいつ行うか

  • 二重管理になっていないか

補足・具体解説

管理画面を見ながら、「この項目は誰のため?」と問い直してみてください。
不要な項目を減らすだけでも、現場の負担は大きく軽減されます。

③ 運用ルール・管理体制をシンプルに整える

結論から言えば、運用ルールは少なく・分かりやすくが鉄則です。
立派な規程より、守られるルールが重要です。

整理:最低限決めたい運用ルール

  • アカウントの追加・削除方法

  • 権限付与の基準

  • 問い合わせ窓口

項目 シンプルな例
追加 上長承認でIT担当
削除 退職日に即対応
権限 役割別に固定

補足・具体解説

「誰がやるか」を決めるだけで、混乱は大きく減ります。
完璧を目指さず、まずは回る仕組みを作ることが大切です。

④ 外部パートナーの上手な使い方

結論として、すべてを自社で抱え込む必要はありません。
“判断できる状態”を自社で持ちつつ、実作業を外部に任せるのが理想です。

整理:外部支援の役割分担

領域 自社 外部
業務理解
設計判断
設定作業
運用支援

箇条書き:外部活用のポイント

  • 丸投げしない

  • 目的を共有する

  • 定期的に見直す

補足・具体解説

「全部任せる」ではなく、「一緒に考える」パートナーを選ぶことで、
クラウド運用は長期的に安定します。

まとめ:なんとなくクラウド化した企業が直面する運用の落とし穴

本記事では、「なんとなくクラウド化」がなぜ問題を生みやすいのか、その構造と対策を整理してきました。
クラウド自体が悪いのではなく、目的・運用・考え方が整理されていないことが、失敗の本質です。

本記事の要点整理

  • クラウド導入判断が丸投げになりやすい

  • 運用ルール不足がトラブルを招く

  • オンプレ感覚のままでは効果が出ない

  • 見直しは「目的と言語化」から始める

まず何から始めるべきか

  • 今使っているクラウドの目的を一文で書き出す

  • 管理者・ルールが決まっているか確認する

  • 不要な設定・使われていない機能を洗い出す

「これ、うちも当てはまるかも」と感じたなら、それは見直しのタイミングです。
自社だけで抱え込まず、第三者の視点を入れることで、クラウド運用は大きく改善します。
まずは現状整理から、気軽に相談してみるのも一つの選択肢です。

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