1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

お役立ち情報・事例

記事公開日

失敗しないシステムリプレイス計画:レガシー資産を活かす再構築の進め方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

目次

はじめに:なぜ今、システムリプレイスが経営課題になるのか

「今のシステム、正直使いづらい。でも動いてはいるし、大きなトラブルもない。」——中小企業の管理者の方から、よく聞く本音です。ところが近年は、基幹システムの老朽化Excel・Access運用の限界が、じわじわと経営の足を引っ張るケースが増えています。例えば、入力が二重になっている、担当者しか分からない手順がある、月末や棚卸しのたびに残業が発生する、といった“見えにくいコスト”が積み上がります。

さらに、OSやミドルウェアのサポート終了、セキュリティ要件の強化、クラウド利用の拡大など、外部環境も大きく変化しています。放置すると「突然動かなくなる」「改修したいのに誰も触れない」「取引先の監査に対応できない」といった事態になりかねません。だからこそシステムリプレイスは、単なるITの入れ替えではなく、経営リスクを下げ、業務を伸ばすための投資判断として捉える必要があります。

本記事では、全面刷新で失敗しないために、既存のレガシー資産(データ・帳票・業務知識)を活かしながら進める現実的なリプレイス計画を、分かりやすく解説します。「どこから手をつけるべきか」「何を決めれば失敗しないか」を整理したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

お問い合わせはこちら

リプレイスが必要になる理由と放置するリスク

システムリプレイスの検討は、多くの場合「不具合が起きた」「ベンダーから更新を迫られた」といった“外圧”で始まります。しかし本当は、トラブルが起きてから動くのが最も危険です。古いシステムは、使い勝手の悪さだけでなく、属人化、保守切れ、セキュリティ脆弱性など、複数のリスクが重なっていきます。加えて、ExcelやAccessで補い続ける運用は、短期的には低コストに見える一方、データの整合性や監査対応、業務の標準化という面で限界が来ます。この章では、「なぜリプレイスが必要になるのか」を、現場で起こりがちな典型例と経営リスクの観点から整理し、放置した場合に起こり得る問題を具体的に可視化します。

① レガシーシステムが業務効率を下げる典型パターン

古いシステムが業務効率を下げるのは、「処理が遅いから」だけではありません。むしろ多いのは、業務の流れとシステムの形がズレていることによる非効率です。現場では、次のような“あるある”が起きがちです。

  • 受注はシステム、出荷はExcel、請求は別システムで二重入力

  • マスタ更新が複数箇所に必要で、更新漏れが発生

  • 月次資料づくりのために、CSVを手作業で整形している

  • 「このボタンを押す順番が違うとエラーになる」など、担当者の勘と経験で成り立つ

こうした状態は、担当者が慣れているうちは回りますが、担当者が休む・異動する・退職するだけで途端に回らなくなります。つまり、効率の問題であると同時に、業務継続(BCP)的にも脆いのです。

レガシー化が進むと、「改善したいのに、どこを直せばいいか分からない」状態になり、改善が止まります。結果として、現場はExcelで“応急処置”をし続け、データが散らばり、属人化が強まる悪循環に入ります。まずは「どの作業が手作業なのか」「二重入力はどこか」を棚卸しし、“ムダの所在”を言語化することが、リプレイス検討の出発点になります。

② セキュリティ・保守切れによる経営リスク

レガシーシステムの危険性は、使いづらさ以上に、保守とセキュリティにあります。例えば、OSやデータベースのサポートが終了すると、脆弱性が見つかっても修正パッチが提供されません。すると、外部からの攻撃を受けた際に防御が難しくなり、情報漏えいやランサムウェア被害に直結する可能性があります。

また、保守切れが進むと、次のような問題が起きます。

リスク 具体的に起こること 影響
サポート終了 ベンダーが不具合対応できない 復旧が長期化し、業務停止
技術者不足 古い言語・技術の人材がいない 改修費が高騰、納期も伸びる
セキュリティ脆弱性 パッチが当たらない、監視も弱い 事故が起きた際の損害が大きい
監査対応 操作履歴や証跡が取りにくい 取引先要件に不適合

特に、取引先や顧客から「セキュリティチェックシート」や「情報管理体制」の提出を求められる業種では、システムの古さがそのまま信用問題になります。中小企業にとって、事故が起きてからの復旧・説明・再発防止は、コストだけでなく人的負担も非常に大きいものです。「何も起きていない今」が、最も安く・安全に手を打てるタイミングです。

③ 「今は困っていない」が一番危ない理由

リプレイスの意思決定を止める最大の言い訳が、「現状は動いているから」です。しかし、この判断には落とし穴があります。困っていないように見えるのは、現場がムリして吸収しているだけ、ということが多いからです。

例えば、月末の締め処理に毎回残業が発生している、データの突合に時間がかかる、エラー対応が特定の人に集中している——こうした状況は「業務が回っている」と錯覚されがちです。ですが裏では、次のような“破綻の芽”が育っています。

  1. キーマンが不在になると止まる(属人化)

  2. 改修や拡張に時間と費用がかかる(技術負債)

  3. データが散らばり、分析・見える化ができない(意思決定の遅れ)

  4. 事故が起きた時に復旧できない(BCPリスク)

さらに、トラブルが起きたタイミングで急いでリプレイスすると、要件整理が不十分なまま「とにかく入れ替える」判断になりがちです。これが、いわゆる“高いのに使われないシステム”を生む典型パターンです。計画的に進めることで、業務停止のリスクを抑え、社内調整もスムーズにできます。

④ システムリプレイスがDXの第一歩になる理由

システムリプレイスは守りの施策に見えますが、実はDX(デジタルトランスフォーメーション)の入口でもあります。なぜなら、古い仕組みのままでは、データ活用や業務自動化が進まないからです。たとえば、受注・在庫・出荷・請求が分断されていると、正しい数字がすぐに出ず、経営判断が遅れます。

リプレイスを「単なる入れ替え」で終わらせないための視点は、次の通りです。

  • データが一元化され、“同じ数字”を見て会話できる

  • 現場入力が整い、後から分析・見える化が可能になる

  • ワークフローや申請が整い、承認のスピードが上がる

  • 外部サービス連携で、請求・入金消込・通知などが自動化できる

ポイントは、「最初から大きなDXを目指さない」ことです。まずは、現場が困っているところを改善し、データを整える。それだけで、後からAIやRPA、BIツールなどの新技術を載せやすくなります。リプレイスは、“土台づくり”としての価値が非常に大きい取り組みです。

現行システムと業務の棚卸しから始める計画立案

リプレイスで失敗しないために最も重要なのは、「どのシステムにするか」より先に、現状を正しく把握することです。現場の課題が言語化されないまま製品選定に進むと、導入後に「業務に合わない」「必要な帳票が出ない」「結局Excelが残る」といった不満が噴出します。特に中小企業では、担当者ごとに手順が違ったり、暗黙知で回っていたりするため、棚卸しの精度が成果を左右します。この章では、システムだけでなく業務の流れも含めた棚卸し方法と、残すべき資産の見極め、現場を巻き込む進め方、将来拡張を見据えた要件定義のポイントを整理します。

① システムだけでなく「業務」を整理する重要性

システム刷新が失敗する典型は、「現行システムの機能一覧」だけを元に置き換え先を探してしまうことです。これでは、今の不便さをそのまま引き継ぐだけになりがちです。重要なのは、業務フロー(仕事の流れ)を整理し、「どこで誰が何をしているか」を見える化することです。

具体的には、次の観点で棚卸しすると、改善ポイントが見つかりやすくなります。

  • 入力:どこで誰が入力しているか(紙→転記、メール→転記など)

  • 処理:計算やチェックは自動か手作業か

  • 連携:他部署や他システムとの受け渡しは何か

  • 出力:帳票・報告資料はどう作られているか

  • 例外:イレギュラー時にどう処理しているか

現場の声としてよくあるのが、「本当はこうしたいけど、システムができないから手でやっている」というものです。ここを拾えると、リプレイスが“現場が楽になる投資”として受け入れられやすくなります。

② 「残すべき資産」と「捨てるべき仕組み」の見極め方

レガシー資産は「古い=不要」ではありません。むしろ中小企業では、長年の運用の中で培った帳票、マスタ、業務ルールに価値があります。一方で、その資産に見せかけた“負債”も混ざっています。そこで、次のように切り分けるのが有効です。

区分 判断のポイント
残すべき資産 顧客マスタ、商品マスタ、取引履歴、法定帳票 正確性・再利用性が高い
見直すべき資産 独自コード体系、複雑すぎる承認ルール 目的が説明できるか
捨てるべき仕組み 二重入力、紙→転記、個人PCの管理表 “手でやる理由”がない

「残す/捨てる」の判断で大切なのは、感覚ではなく、“なぜ必要か”を説明できることです。たとえば独自コード体系は、取引先の都合で必要な場合もあれば、単に昔の名残で残っているだけの場合もあります。ここを整理せずに移行すると、移行コストが膨らみ、結果的にプロジェクトが止まります。

③ 現場担当者を巻き込むヒアリングの進め方

リプレイスはIT部門だけの仕事ではありません。むしろ現場が主役です。現場を巻き込めないと、導入後に「使い方が分からない」「忙しくて入力できない」「前のやり方のほうが速い」といった反発が出ます。

効果的なヒアリングのコツは、次の通りです。

  1. いきなり要望を聞かない(現状→困りごと→理想の順)

  2. 「月末」「棚卸し」「監査」など、負荷が高い場面を深掘りする

  3. 例外処理(イレギュラー)を必ず聞く

  4. “言いづらい不満”を拾うため、個別ヒアリングも混ぜる

現場のセリフは、要件の宝庫です。
例:「この作業、毎回同じチェックしてるんですよね…」
→ それは自動化できるかもしれません。
例:「ここはAさんしか分からないです」
→ それは属人化リスクです。

こうした声を拾って整理し、「現場が楽になること」を要件に反映できると、導入がスムーズになります。

④ 将来拡張を見据えた要件定義の考え方

要件定義でありがちな失敗は、次の2パターンです。

  • 欲張りすぎて要件が膨張し、予算・納期が破綻する

  • 最低限しか決めず、導入後に追加費用が膨らむ

中小企業にとって現実的なのは、「今困っていること」+「将来の余白」をセットで定義することです。例えば、最初は受注・在庫・出荷までを整え、将来はBIで分析、AIで需要予測、といった段階的な計画にします。

要件を整理する際は、次の分類が便利です。

  • Must:ないと業務が止まる(必須)

  • Should:あると大幅に楽になる(重要)

  • Could:あれば嬉しい(将来)

  • Won’t:今回はやらない(明確に除外)

特に「Won’t」を決めるのが重要です。ここが曖昧だと、会議のたびに要望が増え、プロジェクトが迷走します。将来拡張については、「API連携できる」「データを取り出せる」など、拡張性の条件として押さえておくと、後から追加投資がしやすくなります。

段階的移行とデータマイグレーションのコツ

リプレイスで最も怖いのは、「切り替え日に業務が止まる」ことです。中小企業では人員に余裕がないため、移行作業が現場の負担になりやすく、トラブル時のリカバリも難しくなります。そこで重要になるのが、段階的移行(フェーズ移行)とデータマイグレーション(データ移行)の設計です。特にデータ移行は、形式の違いや欠損データ、マスタの不整合などが原因で、想定以上に時間がかかることが多い領域です。この章では、一括刷新が失敗しやすい理由を整理した上で、段階的に進める方法、データ移行でつまずくポイント、移行期間中の新旧併用の考え方を解説します。

① 一括刷新が失敗しやすい理由

一括刷新(ビッグバン方式)は、短期間で切り替えられるように見えますが、現場への負荷が非常に大きい方法です。特に、複数業務が絡む基幹系では、1箇所の不具合が連鎖しやすく、業務停止につながります。

一括刷新で起きがちな問題は次の通りです。

  • 教育が間に合わず、現場が入力できない

  • 移行データに不備があり、検索や出力ができない

  • 帳票が出ない、締め処理が想定通りに動かない

  • 不具合が出ても原因切り分けが難しい(新環境が全部新しい)

中小企業の場合、「止まったら全員で復旧に張り付く」体力がありません。だからこそ、影響範囲を小さくしながら進める段階的移行が、安全で現実的です。

② フェーズ分割で進める段階的リプレイス

段階的移行は、業務をいくつかの単位に分け、順番に切り替えていく考え方です。分け方は会社の状況によって異なりますが、例えば次のように設計できます。

  • 部門単位:営業 → 物流 → 経理

  • 業務単位:受注 → 在庫 → 出荷 → 請求

  • 機能単位:マスタ整備 → 入力 → 帳票 → 連携

ポイントは、「最初に効果が出やすい領域」から始めることです。たとえば受注入力が紙やメールで混乱しているなら、まず受注の仕組みを整えるだけでも現場の負担が減ります。そこで成功体験ができると、社内の協力も得やすくなり、次フェーズに進みやすくなります。

また、フェーズごとに「完了の定義(何ができたらOKか)」を明確にしておくと、プロジェクトがだらだら延びるのを防げます。

③ データ移行で必ずつまずくポイント

データ移行でつまずく原因の多くは、「データはあるはず」という思い込みです。実際には、長年の運用の中で、表記ゆれ・欠損・重複・意味不明な値が蓄積しています。

よくあるつまずきポイントは次の通りです。

  • 顧客名の表記ゆれ(株式会社あり/なし、全角半角)

  • 住所や電話番号の形式がバラバラ

  • 商品コードが重複している、または桁数が不統一

  • 過去データが多すぎて、移行に時間がかかる

  • “使っていない項目”に重要情報が入っている

対策として有効なのは、移行前に「移行対象を決める」ことです。例えば「過去5年分は移行、10年分はCSVで参照用に保管」など、業務上必要な範囲を定めます。また、マスタの整備は可能な限り早く着手し、データ品質を上げておくと、移行後のトラブルが減ります。

④ 移行期間中の「新旧システム併用」の考え方

段階的移行では、新旧システムを併用する期間が発生します。ここで設計を誤ると、「結局二重入力が増える」など現場負担が増えてしまいます。併用期間の設計ポイントは、次の通りです。

  • “正”のデータをどちらに置くか(マスタ・取引データの主系統)

  • 連携は自動か手動か(CSV連携の頻度と責任者)

  • 併用期間の終了条件(いつまで併用するのか)

  • 例外時のルール(片方が止まった時の対応)

例えば、受注は新システム、請求は旧システムという併用をするなら、受注データを請求側に渡す仕組みが必要です。ここを「手で転記」にすると、リプレイスの目的と逆行します。最低限の連携(CSV自動出力、定時バッチなど)でもよいので、現場が回る設計にしておくことが重要です。

UI/UX改善と新技術活用のポイント

リプレイス後に「結局使われない」システムになる原因の多くは、機能不足ではなく、使い勝手(UI/UX)にあります。特に中小企業では、IT専任がいない現場も多く、複雑な画面や分かりにくい項目名は、それだけで入力が止まります。入力が止まればデータが溜まらず、分析や自動化も進みません。つまり、UI/UXは“見た目”ではなく、データ活用の土台です。この章では、定着しない理由を現場視点で整理し、使いやすい画面設計のポイント、ローコードやクラウドのメリット、将来のAI・外部連携を見据えた設計視点を解説します。

① 使いにくいシステムが定着しない理由

「高機能なのに使われない」システムは珍しくありません。原因は、現場が求めているのが“多機能”ではなく“迷わず使えること”だからです。例えば、入力画面で項目が多すぎる、どこを入力すればいいか分からない、エラーの原因が表示されない——こうした体験が続くと、現場はすぐにExcelに戻ります。

定着しない兆候としては、次が分かりやすいサインです。

  • 入力が遅れ、データが最新にならない

  • 「とりあえず後でまとめて入力」が常態化する

  • 使う人が限定され、全社展開できない

  • 出力や集計が合わず、結局Excelで加工する

つまり、UI/UXの改善は「現場の負担を減らす」だけでなく、データの鮮度と信頼性を上げるための投資です。

② 現場が「使いやすい」と感じる画面設計とは

使いやすい画面設計は、デザインセンスよりも、業務に沿った設計で決まります。現場が使いやすいと感じるポイントは、例えば以下です。

  • 入力項目は最小限(必要なものだけ)

  • 必須項目が分かる(エラーが分かりやすい)

  • プルダウンや自動補完で入力を減らす

  • 1画面で完結し、次に何をすればよいか迷わない

  • スマホやタブレットでも操作できる(現場作業がある業種)

現場のセリフとしては、
「この項目、毎回同じ値なんだけど…」
「住所を毎回打つの面倒…」
などが出てきます。こうした部分は、デフォルト値や候補選択で簡単にできます。リプレイス時は、現場の負担が減る体験を作ると、定着が一気に進みます。

③ ローコード・クラウドを活用するメリット

中小企業のリプレイスで近年増えているのが、ローコードやクラウドを活用したアプローチです。フルスクラッチ(ゼロから開発)は自由度が高い反面、コスト・期間・保守負担が大きくなりやすいからです。

ローコード・クラウドの代表的なメリットは次の通りです。

観点 ローコード/クラウドのメリット
コスト 初期開発を抑えやすい、段階導入しやすい
期間 テンプレートや部品で短納期化しやすい
保守 アップデートやセキュリティ対応がしやすい
変更対応 業務変更に合わせて画面・項目を調整しやすい

もちろん、すべてが万能ではなく、基幹系の複雑要件には向き不向きがあります。しかし「まず業務を整える」「Excelから脱却する」という段階では、ローコードが非常にフィットするケースが多いのも事実です。

④ 将来のAI・外部連携を見据えた設計視点

今すぐAIを使わないとしても、「後から連携できる設計」にしておくことは重要です。なぜなら、AI活用の前提は、データが整っていることだからです。入力がバラバラで、Excelに散っている状態では、AI以前に分析もできません。

将来を見据えるなら、次の条件を押さえると安心です。

  • データをエクスポートできる(CSV、APIなど)

  • 外部連携ができる(会計、EC、チャット、RPAなど)

  • 権限管理が柔軟(部署・役割ごとのアクセス制御)

  • 履歴が追える(変更履歴、承認履歴)

例えば、チャットツールに「承認依頼が来た」と通知するだけでも、現場のスピードが上がります。将来の発展を狙うなら、最初の段階で“連携の余白”を作ることが、結果的に投資効果を高めます。

外部ベンダー選定と見積もり比較の注意点

システムリプレイスの成否は、製品選定だけでなく、パートナー選びで大きく変わります。中小企業では、IT人材が限られるため、設計・導入・移行・運用の各工程でベンダーの支援が必要になる場面が多いからです。しかし現実には、「安いから」「有名だから」「提案が早いから」といった理由で決めてしまい、導入後に追加費用が膨らんだり、改善が止まったりするケースもあります。この章では、よくある失敗パターンを踏まえ、見積書のチェックポイント、伴走型のパートナーの見極め方、中小企業に合う付き合い方を解説します。

① ベンダー選定でよくある失敗パターン

失敗パターンは大きく3つあります。

  1. 価格だけで決めてしまう

  2. 製品が良ければ大丈夫と思い込む

  3. 要件が曖昧なまま提案比較してしまう

特に多いのが、要件が曖昧で「同じ条件で見積比較できない」状態です。すると、A社は最低限、B社は手厚い支援込み、C社は別途費用が多い、といった形で、単純比較ができません。結果的に、最初は安く見えた会社が、導入後の追加費用で高くつくことがあります。

② 見積書で必ず確認すべきポイント

見積書は「総額」だけでは判断できません。最低限、次の項目を確認しましょう。

  • 初期費用(要件定義、設計、開発、設定、テスト)

  • データ移行費用(移行ツール、移行作業、検証)

  • 教育・マニュアル(研修回数、資料作成の有無)

  • 保守費用(月額、対応範囲、SLA)

  • 追加開発の単価(人月単価、改修時の見積ルール)

比較しやすくするために、見積を受け取ったら次のように整理すると有効です。

項目 A社 B社 C社
初期費用      
データ移行      
教育      
保守(月額)      
追加開発単価      

この表を作るだけで、「どこが含まれていて、どこが別途か」が見えます。

③ 「作って終わり」にならないパートナーの見極め方

リプレイスは導入して終わりではありません。運用して初めて、改善点が見えてきます。だからこそ、伴走できるパートナーかどうかが重要です。見極めの質問例としては、次が使えます。

  • 導入後の改善提案はどこまでしてくれるか

  • 問い合わせ窓口は誰か(担当固定か、チケット制か)

  • 運用定着の支援(教育、活用提案)はあるか

  • 障害時の初動対応はどうなるか

  • 他社での導入・移行の実績はあるか

「運用が回っていない」「結局Excelが残る」という事態を防ぐには、導入後の活用支援が欠かせません。

④ 中小企業に合うベンダーとの付き合い方

中小企業にとって現実的なのは、丸投げでも内製でもない、役割分担です。例えば以下のように整理できます。

  • 会社側:業務の意思決定、現場調整、優先順位付け

  • ベンダー側:設計、設定、移行、技術的な実現方法の提案

重要なのは、ベンダーに任せる範囲を明確にしつつ、会社側も「目的」と「優先順位」だけは握ることです。ここが曖昧だと、ベンダーの提案がブレたり、追加費用が増えたりします。

また、定例会で「課題」「決定事項」「次アクション」を短く回すだけでも、プロジェクトの成功率は上がります。中小企業こそ、シンプルな運用設計が効きます。

まとめ:レガシー資産を活かしたリプレイスが成功の鍵

システムリプレイスは「壊して作り直す」ことが目的ではありません。大切なのは、既存のデータや業務知識といったレガシー資産を活かしながら、無理のない形で業務を改善し、将来の拡張に備えることです。放置すればするほど、属人化や保守切れ、セキュリティ事故のリスクが高まり、結果的にコストも大きくなります。

本記事では、リプレイスが必要になる理由、業務棚卸しの進め方、段階的移行とデータ移行のポイント、UI/UXの重要性、ベンダー選定の注意点を整理しました。まずは「二重入力がどこにあるか」「誰しか分からない作業は何か」など、現状の課題を棚卸しすることから始めると、計画が現実的になります。

もし「何から手をつければよいか分からない」「要件整理やベンダー比較に不安がある」という場合は、早めに専門家へ相談するのが近道です。現行資産を活かした段階的な進め方なら、業務を止めずに改善できます。ぜひ一度、貴社の状況に合わせた進め方を検討してみてください。お問い合わせ・ご相談は、貴社サイトのフォームからお気軽にどうぞ。

SERVICE

DXサービス

CONTACT

お問い合わせ・ご相談はこちら
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

資料請求・お問い合わせ・無料トライアル

中小企業DX支援なら国際ソフトウェアにお任せください!フォームから無料で資料ダウンロードいただけます。

まずは相談してみたい方は下の「お問い合わせ」よりお気軽にご相談ください。

IT支援・DX化でお悩みの方におすすめの資料です

  • 豊富な知識と手厚いサポート体制
  • DXによる生産性向上
  • 業務効率化をIT支援