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Pleasanterのアクセス権限設計と情報共有の最適化術

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はじめに:Pleasanterのアクセス権限設計と情報共有の最適化術

業務改善やDXを推進するうえで、「情報の見える化」は避けて通れません。特に中小企業では、限られたリソースのなかで効率的に情報を管理・共有する手段が求められています。そんな課題に応えるのが、国産のローコード業務アプリ構築ツール「Pleasanter(プリザンター)」です。

Pleasanterを導入することで、SFAや日報、案件管理、顧客管理など、あらゆる業務アプリを自社でノーコードに近い形で構築・運用できます。しかし、どんなに優れた業務アプリを構築しても、「アクセス権限設計」が甘ければ、情報漏洩や業務トラブルの温床になりかねません。

この記事では、ITの専門知識がなくても分かるように、Pleasanterにおけるアクセス権限の考え方から、具体的な設定・運用のコツまでを丁寧に解説していきます。「誰が、どの情報に、どこまでアクセスできるか」を明確にし、安全かつ効率的な情報共有体制を実現するための実践的なヒントをお届けします。

Pleasanterのページ

権限設計の重要性と失敗例

なぜアクセス権限が重要なのか?

Pleasanterは、複数のプロジェクトやデータベース(サイト)を同時に管理できる柔軟性が魅力ですが、その分、「誰がどの情報を閲覧・編集できるか」を明確に設計しなければ、情報の混乱を招く危険があります。

たとえば、営業部向けの案件管理アプリと、経理部向けの売上管理アプリを同じ環境で運用する場合、営業担当者が経理の数字にアクセスできてしまう設計になっていたら、それは大きな問題です。

アクセス権限は以下のような視点で考える必要があります:

視点 意味 重要性
閲覧権限 情報を「見る」ことができるか 情報漏洩の防止
編集権限 情報を「編集・削除」できるか データ改ざんの防止
作成権限 新たな情報を「追加」できるか 誤登録・混乱の防止

よくある失敗パターンとその代償

Pleasanterの初期導入時にありがちなトラブルが、「とりあえず全員にフルアクセスを許可する」設定です。中小企業では「人数が少ないから大丈夫だろう」と油断しがちですが、以下のような失敗例があります。

【よくある失敗パターンとその影響】

失敗パターン 結果・影響
管理者権限を全員に付与 誤操作でデータが消失。誰がやったか分からない。
閲覧権限が広すぎる 経営情報が全社員に筒抜け。信頼関係にも影響。
権限を個人に都度付与 権限管理が煩雑に。異動・退職時に混乱発生。

こうした失敗は、「最初の設計ミス」が原因です。初期設定に少し時間をかけてでも、「誰が、どの情報を、どう扱うのか」を定義しておくことが、後のトラブルを防ぐ最大のポイントになります。

「誰が」「どこまで」見られるかの線引き

アクセス権限設計で最も重要なのが、「役割に応じた線引き」です。Pleasanterでは、「閲覧」「編集」「削除」「追加」などの操作権限をきめ細かく設定可能ですが、闇雲に設定すると逆に混乱を招きます。

まずは、以下のようなロール(役割)ごとの基本ルールを作成してみましょう:

役職・部門 閲覧権限 編集権限 削除権限 備考
管理者(システム担当) すべて可 すべて可 すべて可 例外処理・緊急対応担当
部門責任者 自部門の全データ 必要に応じて 原則不可 承認・確認権限を持つ
一般社員 担当案件のみ 部分的に可 不可 最小限の操作に限定
外部委託者 閲覧のみ 不可 不可 作業内容に応じて設定

また、個人単位ではなく「役割」や「グループ」単位で設定するのが基本です。人数が増えても権限を一括でコントロールできるため、運用負荷も抑えられます。

小規模組織でやりがちな「全部見せる」の落とし穴

「うちは10人しかいないから、全部見せても問題ないよ」という声をよく耳にしますが、それは大きなリスクをはらんだ考え方です。

たとえば、営業日報や顧客情報の中には、クレームやトラブルの記録も含まれている場合があります。それを全社員に見せることで、社内の人間関係にヒビが入ったり、モチベーションが下がったりすることも珍しくありません。

また、退職者が重要情報を持ち出すケースも、意外と多く報告されています。Pleasanterは情報の蓄積と活用には非常に強力なツールですが、「見せすぎ」はセキュリティ上の脆弱性になります。

特に注意したいのが、以下の3つの情報カテゴリです:

  1. 人事・給与情報:社員のプライバシーに関わる

  2. 経営数値・財務情報:競合や社外に流出すれば致命傷

  3. クレーム・不具合対応履歴:ブランド価値を下げるリスク

小規模組織こそ、「信頼関係」で成り立っている側面が強いからこそ、その信頼を守る仕組み=適切なアクセス権限設計が必要なのです。

ユーザー・グループ管理のベストプラクティス

Pleasanterでのアクセス制御を成功させる鍵は、「ユーザー」と「グループ」の管理にあります。人の出入りが多い中小企業では、属人管理ではなく、ルールベースで運用できる仕組みが不可欠です。この章では、日々の運用で混乱しないためのベストプラクティスを、実務的な視点でご紹介します。

ユーザーアカウントの設計方法

Pleasanterでは、利用者ごとにユーザーアカウントを作成し、ログインID・パスワードを発行します。ここで重要なのが、「誰が誰か分からない」状態を作らないことです。

ユーザー登録時のポイント:

  • 氏名+社員番号などで命名ルールを統一(例:t.suzuki_101)

  • メールアドレスの入力必須にする

  • 役職・部署などの属性も一緒に記録

  • 退職者のアカウントは必ず無効化

こうした基本ルールを設けておくことで、あとから誰が何をしたのかがトレースしやすくなります。特に操作ログ(履歴)のチェックが必要な場面では、「個別ユーザーが明確に管理されているか」がトラブル対応の明暗を分けることもあります。

グループ化のメリットと設計のコツ

グループ機能は、複数のユーザーに同じ権限を一括付与するための便利な仕組みです。中小企業でも、「部署ごと」「役職ごと」にグループを作成し、それに対してアクセス権を設定することで、後々の運用が格段に楽になります。

グループ設計のコツ:

グループ名 内容 設計ルール例
Sales 営業部全体 英語表記+部署名で統一
SalesMgr 営業部マネージャー Mgrをつけて管理職を明示
Admin システム管理者 システム関連は別格として管理

このようにグループベースでの権限管理を徹底しておくことで、アカウント追加や人事異動の際にも設定が崩れにくくなります。

権限のテンプレート化でミス防止

権限管理を手作業で行っていると、「一人だけ編集権が足りなかった」「見せるべき情報が見えていなかった」といったヒューマンエラーが発生しがちです。これを防ぐには、あらかじめ「テンプレート化された権限セット」を作っておくのが効果的です。

テンプレートの一例:

テンプレート名 権限内容 適用対象
一般ユーザー用 閲覧+一部編集可 全社の一般社員
承認者用 閲覧+編集+承認操作 各部署の管理職
管理者用 全権限 情報システム担当者

入退社・異動時の対応をルール化する

人の出入りがある中小企業にとって、入社・退社・異動時の権限処理をいかに漏れなく行うかは重要なテーマです。特に退職者がいつまでもログインできる状態は、情報漏洩のリスクそのものです。

対応フロー例(退職時):

  1. 最終出社日を事前に把握

  2. アカウントを「無効化」または削除

  3. 保有していたデータの所有権を別の社員に移譲

  4. グループからも除外

  5. 操作ログの確認と保管

チェックリスト形式で対応ルールを作っておくと、どの担当者でもミスなく処理できるようになります。また、入社時には「テンプレートに基づいて初期権限を割り当てる」ことで、スムーズな業務開始が可能になります。

セキュリティと利便性のバランス

アクセス権限は、セキュリティを守るための「防御壁」である一方で、業務の円滑さを左右する要素でもあります。厳しすぎる制限は情報活用の障害となり、緩すぎる設計はセキュリティリスクを生み出します。この章では、現実的かつ柔軟なバランスの取り方を紹介します。

セキュリティを意識しすぎると業務が止まる?

セキュリティを最優先に考えると、「見るだけ」「操作禁止」「特定ユーザーしか使えない」といった厳しい制限をかけたくなります。しかし、実務の現場では「すぐに見たい」「今すぐ直したい」というニーズが常に存在します。

たとえば、営業担当が日報の更新をしたいのに、編集権がなく「管理者に連絡 → 承認 → 対応待ち」という流れでは、業務は完全に止まってしまいます。

セキュリティと業務効率のバランスを取るポイント:

  • 業務に必要な最低限の編集権は付与する

  • 承認が必要な処理はワークフロー化で対応

  • 編集ログを有効にし、後から確認できる体制にする

Pleasanterはこうした操作ログの記録や権限ごとの制限設計が得意なので、設定次第でバランスのとれた運用が可能です。

閲覧専用・編集権限などの使い分け例

実際の業務では、誰が「見るだけ」なのか、「更新もする」のか、「削除までできる」のかを明確にしておくことが重要です。

ケース別 権限設計例:

業務シーン 閲覧 編集 削除
顧客リストの確認(営業) ×
日報の確認(マネージャー) × ×
見積データの修正(経理)
プロジェクト進捗の共有(全社) × ×

外部との連携時に気をつけるポイント

中小企業においては、外部の委託先や取引先とPleasanter上で情報を共有するケースも多くなってきました。しかし、社外ユーザーを追加する際には、社内と同じ感覚で権限を与えるのは非常に危険です。

外部ユーザー連携時のチェックポイント:

  1. 必要最小限の閲覧権限にとどめる
     → 閲覧だけでなく編集・削除権限があると情報漏洩リスクが高まります。

  2. 共有対象のサイトやリストを限定する
     → 社内の他データへアクセスできないよう、サイトごとに明確に制限します。

  3. 共有期間や目的を明確にする
     → 一時的な連携であれば、終了後にアカウントを停止するなどの措置が必要です。

  4. 外部アクセスの履歴を定期的にチェック
     → 操作ログを活用し、不審なアクセスや操作を早期発見できる体制を整えましょう。

特に機密性の高い業務を扱う業種(医療、製造、研究開発など)では、外部連携のルールを文書化し、社内にも明示しておくことが重要です。

二段階認証やIP制限は必要か?

Pleasanterはオンプレミス版・クラウド版ともに提供されており、セキュリティ要件に応じた運用が可能です。クラウド利用時など、特にインターネットを介したアクセスがある場合は、「ログイン制御」の強化が必要です。

おすすめの追加対策:

対策内容 効果 実装難易度
二段階認証(2FA) パスワード流出時でも不正アクセスを防止 中〜高
IPアドレス制限 特定ネットワーク以外からのアクセスをブロック
ログイン失敗回数の制限 ブルートフォース攻撃の防止
SSL通信(HTTPS) 通信内容の盗聴防止 低(クラウド版は標準)

セキュリティ対策は“やりすぎ”と思うくらいがちょうど良いとも言われます。「万が一」のリスクを考え、事前に備える姿勢が重要です。

実際の設定例と活用Tipsを編集してください

ここからは、実際にPleasanterでアクセス権限を設計・運用するための具体的な方法や、運用で活用できるTipsを紹介します。初めての方でも分かるよう、画面操作イメージとともに解説します。

アクセス権限設定の画面を理解する

Pleasanterでは、各サイト(プロジェクト)ごとに「アクセス権限設定」画面があります。画面構成は以下の通りです:

  • 対象グループ/ユーザーを追加
     →「アクセス制御」セクションで、対象者を選択

  • 権限レベルを設定
     → 閲覧、編集、削除、管理 などの権限を選択形式で付与

  • サブリストや列単位の制御も可能
     → より細かな制御も可能(例:特定列だけ非表示)

このように、設定の粒度が非常に細かいのがPleasanterの特徴です。初めは「閲覧」「編集」だけでも構いませんが、運用が成熟してきたら列単位の制御や条件付きアクセスなども活用していきましょう。

権限設定のステップバイステップガイド

初めてPleasanterでアクセス制御を設定する担当者向けに、実際の手順を解説します。

ステップ1:ユーザー・グループの確認・作成

  • 「システム管理」メニューからユーザー・グループを確認

  • 必要があれば新規作成・命名ルールを設定

ステップ2:対象サイトに移動し、設定画面へ

  • アクセス対象のサイトを開き、「設定」→「アクセス制御」をクリック

ステップ3:アクセス対象を追加

  • 対象となるユーザー/グループを選択し、「追加」

ステップ4:操作権限を付与

  • 「閲覧のみ」「編集可能」「管理者」などをチェック

ステップ5:保存し、動作確認を実施

  • 必ず別ユーザーで動作確認し、意図通りに表示・操作できるか検証

この流れをマニュアル化しておくと、社内メンバーにも権限管理を任せやすくなります。

よくあるトラブルと解決方法

Pleasanterの運用現場でよく起こる「権限トラブル」には、以下のようなものがあります:

トラブル 原因 解決策
データが見えない 閲覧権限が未付与 アクセス制御を確認し、対象ユーザーに付与
編集できない 編集権限が不足 編集権限のチェックボックスを確認
一部列が見えない 列単位で制御されている 対象列のアクセス制御設定を確認
外部ユーザーに漏れていた グループ設定ミス グループのメンバー構成を定期確認

より便利に使うためのTips集

最後に、Pleasanterのアクセス制御をさらに活用するための小技をご紹介します。

使えるTips:

  • ユーザーコメント機能で履歴を共有
     → いつ誰が何をしたか、コメントで残しておくと便利

  • 通知設定で変更を見逃さない
     → 自分が担当する案件の更新があったときに自動通知

  • アクセス権限のテンプレートを複数用意
     → 業務や役職ごとのテンプレートを事前に用意しておくと効率的

  • 列ごとのアクセス制御で敏感情報を保護
     → 金額や評価点など、非公開項目だけを隠す運用も可能

これらのTipsを取り入れることで、日常業務がさらにスムーズかつ安全になるでしょう。

情報共有を最適化する運用のコツ

Pleasanterの権限設計が整ってきたら、次は「情報の共有の仕方」にも注目しましょう。ただのシステム導入だけでは不十分で、運用ルールや社内文化と結びつけることが成功のカギです。

情報共有ルールを決めて全社で徹底

「情報はPleasanterに登録しておけばいい」という空気を社内で作るには、共通ルールを整備することが不可欠です。

ルール例:

  • 日報は毎日Pleasanterに入力

  • 顧客とのやり取りは必ず案件ページに記録

  • 週1回、各部門で進捗情報を更新

ルールは文書化し、研修やマニュアルとして周知徹底することが重要です。また、管理者が定期的に入力状況をチェックし、「使われていないデータベースは改善・廃止」することも大切です。

タグやカテゴリの使い方で検索性UP

情報共有の最大の課題は「必要な情報がすぐに見つからない」ことです。Pleasanterでは、タグ・カテゴリ機能を使って情報を分類することができます。

活用例:

  • タグ「#重要」「#緊急」などで優先度を明示

  • カテゴリで案件の種別(例:新規・保守・障害)を分類

  • 検索機能を使って一覧抽出(例:「営業部」「5月」など)

これらをうまく使えば、数百件・数千件の情報の中から必要な情報に瞬時にアクセス可能です。

チャットやメールとどう使い分けるか?

Mattermostなどのビジネスチャットやメールとの併用も多い中、「どこに何を書くべきか」が混乱することもあります。

使い分けルールの例:

ツール 目的 内容
Pleasanter 情報の蓄積・共有 案件・日報・顧客情報
Mattermost 即時連絡・相談 報告・相談・雑談
メール 社外連絡・証跡 見積送付・契約

定期的な棚卸しで情報の質を維持する

Mattermostなどのビジネスチャットやメールとの併用も多い中、「どこに何を書くべきか」が混乱することもあります。

使い分けルールの例:

ツール 目的 内容
Pleasanter 情報の蓄積・共有 案件・日報・顧客情報
Mattermost 即時連絡・相談 報告・相談・雑談
メール 社外連絡・証跡 見積送付・契約

まとめ:Pleasanterのアクセス権限設計と情報共有の最適化術

Pleasanterを業務に活かすうえで、**「アクセス権限設計」と「情報共有の運用ルール」**は、単なる設定ではなく戦略です。中小企業でも、適切な設計と運用ルールを取り入れることで、セキュリティと利便性のバランスが取れた情報管理が実現できます。

この記事でご紹介した内容をもとに、以下のようなアクションをぜひ検討してください:

  • 自社に最適なユーザー・グループ設計の見直し

  • 権限テンプレートの整備と設定手順のマニュアル化

  • 情報共有ルールの文書化と全社への周知

  • 不要情報の棚卸しと情報分類の再設計

Pleasanterは、ただの業務アプリ構築ツールではなく、業務効率と情報資産の質を高める基盤です。導入済みの方も、これから検討する方も、ぜひこの機会に一歩踏み出してみてください。

お問い合わせやご相談は、当社フォームからお気軽にどうぞ。

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