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Mattermost無償版の機能とは?無料でできること・制限をわかりやすく解説

目次
- はじめに:「Mattermost、無料でどこまで使えるの?」
- 第1章:Mattermost無償版とは?
- 第2章:Mattermost無償版でできること
- 第3章:Mattermost無償版の主な制限
- 第4章:Mattermost無償版と有償版の違い
- 第5章:Mattermost無償版を導入する前に確認したいポイント
- まとめ:無償版でできること・できないことを整理して判断を
はじめに:「Mattermost、無料でどこまで使えるの?」
セキュリティを重視した社内チャットツールとして注目を集めるMattermostですが、「無料で使える範囲はどこまでか」「どんな制限があるのか」を正確に把握できていない担当者は多くいます。
特に2025年10月のバージョン11(v11)のリリース以降、Mattermostの無償版の構成が大きく変わりました。従来の「Team Edition」に加え、新たに「Entry Edition」が登場し、現在は2種類の無償版が存在しています。それぞれ機能や制限が異なるため、自社にどちらが合うのかを判断するには、両者の違いを正しく理解することが欠かせません。
本記事では、Mattermost無償版(Team Edition・Entry Edition)でできることと主な制限を整理し、有償版との違いや導入前の確認ポイントまでわかりやすく解説します。「無料のまま使い続けられるか」「どこかで有償版が必要になるか」を判断する材料として、ぜひ参考にしてください。
第1章:Mattermost無償版とは?
Mattermostは、オープンソースをベースとしたセルフホスト型のビジネスチャットツールです。SlackやMicrosoft Teamのようなクラウド型サービスとは異なり、自社サーバーやクラウドインフラ上に自前で構築・運用する形態が基本となります。データを自社環境内に保持できるため、情報セキュリティや法令対応の観点から厳しい要件を持つ製造業・金融・医療・防衛関連機関などで広く採用されています。
現在Mattermostには、コストをかけずに利用できる2種類の無償版が存在します。それぞれ提供形態・対象規模・使える機能の範囲が異なるため、まずは両者の基本を押さえておきましょう。
Team Edition(MITライセンス)
Team Edition は、Mattermostのオープンソース版です。MITライセンスのもとで提供されており、商用利用も含め無償で利用できます。
v11(2025年10月リリース)時点では、ユーザー数の上限が250ユーザーに設定されています(v10以前は1,000ユーザーまで)。また、v11からはGitLab SSOが廃止され、Playbooks機能も利用不可となるなど、機能面での制限が強化されました。
一方で、メッセージ件数の上限がなく、チャンネル数やチーム数も無制限で利用できます。250名以下の組織で基本的なチャット機能を使いたい場合に向いています。
Entry Edition(商用ライセンス・無償)
Entry Editionは、2025年10月のv11と合わせて新たに導入された無償エディションです。Team Editionとは異なり、Mattermostの商用ライセンスのもとで無償提供されています。
最大の特徴は、有償版(Professional・Enterprise)で提供されているような高度な機能——Playbooks、Boards、Calls(音声通話・画面共有)、AI Agentsなど——が、利用上限付きで無料で使える点です。ユーザー数は最大50名までに制限されており、全チャンネルを合計したメッセージ件数にも10,000件という上限があります。小規模チームや評価・検証目的での利用に最適化されたエディションと言えます。
2つの無償版の立ち位置の違い
| 項目 | Team Edition | Entry Edition |
|---|---|---|
| ライセンス | MITライセンス(オープンソース) | 商用ライセンス(無償) |
| 主な用途 | 250名以下の中小規模運用 | 50名以下の小規模・評価用途 |
| 機能の豊富さ | 基本機能に特化 | 高度機能を上限付きで利用可 |
| メッセージ上限 | なし | 全チャンネル合計10,000件 |
第2章:Mattermost無償版でできること
無償版でできることを、Team EditionとEntry Editionそれぞれ整理します。どちらのエディションを選ぶにせよ、Mattermostの基本的なチャット機能は共通して利用できます。
Team Editionでできること
Team Editionでは、ビジネスチャットに必要な基本機能を件数・期間の制限なく利用できます。
チャンネルとメッセージ
- パブリックチャンネル:組織内の全ユーザーが参加・閲覧できる公開チャンネルを無制限に作成
- プライベートチャンネル:参加者のみが閲覧・投稿できる非公開チャンネルを無制限に作成
- ダイレクトメッセージ(DM):1対1のプライベートメッセージ
- グループメッセージ:最大8名(自分含め8名)でのグループチャット
- スレッド返信:メッセージにスレッド形式で返信し、会話を整理
- メッセージ検索:過去のメッセージをキーワード・日付・投稿者で全文検索(件数上限なし)
- メッセージのピン留め:重要なメッセージをチャンネル内に固定表示
ファイル共有・ストレージ
- 画像・動画・ドキュメントなど各種ファイルをメッセージに添付・共有
- 画像・PDFなどをアプリ内でプレビュー表示
- ストレージ容量はサーバー側のディスク容量に依存するため、実質的な上限なし
ユーザー管理・通知
- システム管理者・チーム管理者・チャンネル管理者・一般ユーザーのロール設定
- メンション・キーワード通知、デスクトップ通知、メール通知
- iOS・Android対応のモバイルアプリ(プッシュ通知対応)
外部ツール連携
- Incoming Webhook / Outgoing Webhookによる外部システムとの双方向連携
- GitHub、GitLab、Jira、PagerDuty、Zoom、Jenkinsなど主要ツールとの連携プラグイン
- REST APIによるカスタム連携開発
Entry Editionでできること
Entry Editionは、Team Editionの基本機能に加えて、有償版レベルの高度な機能を利用制限付きで使えるのが最大の特徴です。
基本チャット機能(Team Editionと共通)
チャンネル・DM・グループメッセージ・ファイル共有・検索などの基本機能を同様に利用できます。ただし、全チャンネル合計でメッセージ件数が10,000件を超えると古いメッセージが閲覧不可になります。
Playbooks(ワークフロー自動化)
インシデント対応・定型業務・チェックリストなどのワークフローを標準化・自動化する機能です。Entry Editionでは利用上限付きながらPlaybooksを使用できます。障害発生時の対応手順を事前にPlaybookとして定義しておくことで、担当者が手順書を探す手間なく正確な手順で対応を進められます。
Boards(カンバンボード)
プロジェクトの進捗管理や作業トラッキングをカンバンボード形式で行う機能です。Mattermost内のメッセージやチャンネルとボードを連携させることで、チャット上の会話とタスク管理をシームレスに統合できます。
Calls(音声通話・画面共有)
Mattermost内で音声通話や画面共有を行う機能です。Team Editionでの通話が1対1に限られるのに対し、Entry EditionではPlaybooksや会議などの文脈でより柔軟に活用できます(利用制限あり)。
AI Agents(AIアシスタント)
AIによるメッセージ要約・スレッドの自動サマリー・AI検索などの機能を制限付きで利用できます。日常業務の中でAI支援をお試しいただける機会となっています。
参考表:無償版2エディション 機能比較
| 機能・項目 | Team Edition | Entry Edition |
|---|---|---|
| ライセンス | MITオープンソース | 商用ライセンス(無償) |
| 最大ユーザー数 | 250名 | 50名 |
| メッセージ上限 | なし | 全チャンネル合計10,000件 |
| チャンネル数 | 無制限 | 無制限 |
| チーム数 | 無制限 | 無制限 |
| ファイルストレージ | サーバー依存 | サーバー依存 |
| メッセージ検索 | ○ | ○ |
| スレッド返信 | ○ | ○ |
| ファイル共有 | ○ | ○ |
| モバイルアプリ | ○ | ○ |
| Webhook・Bot連携 | ○ | ○ |
| Playbooks | × | ○(上限付き) |
| Boards | × | ○(上限付き) |
| Calls(音声通話) | 1対1のみ | ○(上限付き) |
| AI Agents | × | ○(上限付き) |
| SSO(SAML/OIDC) | × | ○ |
| AD/LDAP連携 | × | ○ |
| ゲストアカウント | × | ○ |
| コンプライアンス出力 | × | × |
第3章:Mattermost無償版の主な制限
無償版で「できないこと」を正確に把握しておくことは、導入後のトラブルを防ぐためにとても重要です。Team EditionとEntry Editionそれぞれの主な制限を確認しましょう。
Team Editionの主な制限
ユーザー数の上限(250名)
v11以降、Team Editionで利用できるユーザー数は最大250名です。v10以前は1,000名まで利用可能でしたが、バージョンアップに伴い大幅に引き下げられました。社員数の増加が見込まれる成長企業では、早い段階から有償版への移行ラインを意識しておくことが重要です。
SSOが利用不可
Team Editionでは、SAML 2.0・OpenID Connect(OIDC)・OAuth 2.0を使ったシングルサインオン(SSO)が利用できません。v11以前はGitLab SSOが無償で使えましたが、v11でこの機能が廃止されました。すでにActive DirectoryやAzure AD、Oktaなどの認証基盤を導入している企業では、MattermostのID管理が既存の仕組みから切り離されてしまいます。
AD/LDAPユーザー同期が不可
Team Editionでは、Active DirectoryやOpenLDAPとのユーザー同期機能が利用できません。ユーザーのプロビジョニング・デプロビジョニングを手動で行う必要があるため、入退社が多い組織や人事システムとの連携を求める場合は要注意です。
Playbooksが利用不可(v11以降)
v11から、Team EditionではPlaybooks機能が利用できなくなりました。v10以前にPlaybooksを活用していた場合、v11へのアップグレード後に機能が失われるため、移行前の確認が必要です。
ゲストアカウントが利用不可
社外のパートナー・取引先・顧客を特定チャンネルにのみ招待する「ゲストアカウント」機能は、Team Editionでは利用できません。社外との連携をMattermost上で行いたい場合は、有償版が必要です。
Entry Editionの主な制限
ユーザー数の上限(50名)
Entry Editionは最大50ユーザーまで利用可能です。スタートアップや小規模チームでの導入・評価にはちょうどよい規模感ですが、事業拡大に伴ってユーザー数が増えると、比較的早いタイミングで移行の検討が必要になります。
メッセージ件数の上限(全チャンネル合計10,000件)
Entry Editionでは、全チャンネル合計で10,000件を超えたメッセージは閲覧できなくなります。チャット履歴がサーバー上に存在しているにもかかわらず、ソフトウェア的に非表示になる仕組みです。チャンネル数やメッセージ頻度によっては数週間から数ヶ月で上限に達することがあります。過去の会話やナレッジへのアクセスが業務上重要なチームにとっては、実質的な制約となります。
Playbooks・Boards・Calls・AIは上限付き
Entry Editionで利用できるPlaybooks・Boards・Calls・AI Agentsには、利用回数・件数の上限が設定されています。評価目的で試す分には十分な範囲ですが、継続的な業務利用には有償版の機能が必要になるケースがあります。Playbooksは作成できるワークフロー数に制限があり、Callsもセッション数・録画機能などに制約が生じる場合があります。
商用ライセンスへの同意が必要
Entry EditionはMITライセンスではなく、Mattermostの商用ライセンスのもとで提供されています。利用にあたっては商用利用規約への同意が必要です。Team Editionとは法的な位置づけが異なる点に注意してください。
第4章:Mattermost無償版と有償版の違い
Mattermostの有償版は大きく2種類あります。Professional版は、SSOや高度な権限管理、AD/LDAP連携など企業の認証・管理要件を満たす機能を提供します。Enterprise版(カスタム価格)は、Professional版の全機能に加えて、大規模組織・高度なコンプライアンス対応・HA(高可用性)構成を必要とする組織向けの機能を提供します。
Team Edition vs. 有償版
Team Editionから有償版に移行する最も大きな動機は、SSO・AD/LDAP・セキュリティ強化への対応です。
| 機能・項目 | Team Edition | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|
| 最大ユーザー数 | 250名 | 無制限 | 無制限 |
| メッセージ履歴 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| SSO(SAML/OIDC/OAuth) | × | ○ | ○ |
| AD/LDAP ユーザー同期 | × | ○ | ○ |
| MFA(多要素認証)強制 | × | ○ | ○ |
| ゲストアカウント | × | ○ | ○ |
| 高度な権限管理 | × | ○ | ○ |
| Playbooks(無制限) | × | ○ | ○ |
| コンプライアンス出力 | × | × | ○ |
| カスタム管理者ロール | × | × | ○ |
| HA(高可用性)クラスタ | × | × | ○ |
| 高度なElasticsearch検索 | × | × | ○ |
Team Editionは250名以下の組織での基本的なチャット用途には対応できますが、SSOやAD/LDAPなどの企業向け認証機能、コンプライアンス対応、大規模展開には有償版が必要です。
Entry Edition vs. 有償版
Entry Editionから有償版に移行する主な動機は、メッセージ履歴の解放・ユーザー数の拡張・Playbooksのフル活用です。
| 機能・項目 | Entry Edition | Professional | Enterprise |
|---|---|---|---|
| 最大ユーザー数 | 50名 | 無制限 | 無制限 |
| メッセージ履歴 | 10,000件まで | 無制限 | 無制限 |
| SSO(SAML/OIDC/OAuth) | ○ | ○ | ○ |
| AD/LDAP ユーザー同期 | ○ | ○ | ○ |
| MFA(多要素認証)強制 | ○ | ○ | ○ |
| ゲストアカウント | ○ | ○ | ○ |
| Playbooks | 上限付き | 無制限 | 無制限 |
| Boards | 上限付き | 無制限 | 無制限 |
| Calls | 上限付き | ○ | ○ |
| AI Agents | 上限付き | ○ | ○ |
| コンプライアンス出力 | × | × | ○ |
| HA(高可用性)クラスタ | × | × | ○ |
Entry Editionの最大の課題であるメッセージ10,000件上限は、Professional版への移行で即座に解消されます。Playbooks・Boards・AIなどの機能も上限なくフル活用できるようになるため、継続的な業務運用にはProfessional版への移行が現実的な選択肢です。
第5章:Mattermost無償版を導入する前に確認したいポイント
無償版を選択する際は、現在の要件だけでなく半年〜1年先のユーザー数増加や機能要件の変化も見越して判断することが重要です。以下のチェックリストを活用して、自社に合ったエディションを確認してください。
Team Editionが向いているケース
以下の項目がすべて「はい」であれば、Team Editionの継続利用が現実的です。
| 確認ポイント | はい / いいえ |
|---|---|
| 現在および将来的なユーザー数が250名以下の見込みである | |
| SSOによる統合認証は必要としない | |
| Active Directory / LDAPとの連携は不要 | |
| Playbooksによるワークフロー自動化は不要(v11以降) | |
| ゲストアカウント(社外ユーザーの招待)は不要 | |
| メッセージ履歴は無制限で保持したい | |
| オープンソースライセンス(MIT)での運用を希望している |
一つでも「いいえ」が含まれる場合は、Professional版以上の検討をおすすめします。特に「SSOが必要」または「ユーザー数250名超え」の場合は、Team Editionでは対応できないため、早めの計画が必要です。
Entry Editionが向いているケース
以下の項目がすべて「はい」であれば、Entry Editionが選択肢になります。
| 確認ポイント | はい / いいえ |
|---|---|
| ユーザー数が現在・将来とも50名以下の見込みである | |
| Playbooks・Boards・AI AgentsなどのIME機能を試してみたい | |
| メッセージ10,000件の上限が業務上許容できる | |
| 商用ライセンスへの同意に問題ない | |
| 本格導入前の評価・PoC(概念実証)での利用を想定している |
Entry Editionはとくに「まずMattermostの高度な機能を試してから本格導入を検討したい」という組織に適しています。ただし、メッセージ件数の上限があるため、本番環境での長期運用には適していません。
移行タイミングの目安
無償版から有償版への移行を検討する際の参考基準を以下に示します。
Team Editionの場合:
- ユーザー数が200名を超えたタイミング(上限250名に近づいた段階)
- SSOやAD/LDAP連携の要件が発生したタイミング
- セキュリティ審査やコンプライアンス要件への対応が求められたタイミング
- v11へのアップグレードを機に、Playbooksや高度な機能の導入を検討したいタイミング
Entry Editionの場合:
- メッセージ件数が8,000件を超えたタイミング(上限10,000件に近づいた段階)
- ユーザー数が40名を超えたタイミング(上限50名に近づいた段階)
- Playbooks・Boards・AIを制限なく業務利用したいタイミング
- 評価が完了し、本番導入を本格的に検討するタイミング
いずれの場合も、制限に達してから慌てて移行するよりも、余裕をもった早めの検討が運用の安定につながります。現在の利用状況と照らし合わせながら、計画的に移行を進めることをおすすめします。
国際ソフトウェア株式会社のMattermost導入支援
国際ソフトウェア株式会社は、Mattermostの国内販売代理店として、無償版の選択相談から有償版への移行支援まで幅広くサポートしています。「自社はTeam EditionとEntry Editionのどちらが適切か」「そろそろ有償版への移行を考えたい」「Professional版とEnterprise版の違いを詳しく聞きたい」といったご相談に、専任担当者が対応いたします。
まとめ:無償版でできること・できないことを整理して判断を
Mattermost無償版には、現在2種類があります。
Team Editionは、MITライセンスのオープンソース版で、250名以下であれば基本的なチャット機能を期間・件数の制限なく利用できます。メッセージ履歴が無制限で残るため、長期の情報蓄積に適しています。ただし、SSOやAD/LDAP連携、Playbooksなどは利用できないため、セキュリティ強化や本格的なワークフロー自動化には有償版が必要です。
Entry Editionは、商用ライセンスのもとで無償提供される新しいエディションです。50名以下であれば、Playbooks・Boards・Calls・AI AgentsといったIME機能を上限付きで試すことができます。ただし、全チャンネル合計10,000件のメッセージ上限があるため、長期・本番運用には向いていません。評価や概念実証(PoC)での利用に最適なエディションです。
どちらの無償版も、組織の規模・要件・目的によって活用できる場面は異なります。「今は無償版で十分だが、将来的に有償版が必要になるかもしれない」という段階から、ぜひ一度ご相談ください。
※本記事の情報はMattermost v11 2026年7月時点の公開情報をもとに作成しています。機能・価格・ライセンス条件は予告なく変更される場合があります。最新情報は公式サイトおよび弊社営業担当にご確認ください。
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